男の作法
- キクチテッペイ
- 2017年2月26日
- 読了時間: 3分
堅苦しそうなタイトルですが、、、
僕が23〜4歳の時にかっこいい大人の男を目指すべく手に取り迷わず購入したバイブル的本です。

著者は『鬼平犯科帳』などで知られる時代作家、歴史小説家の池波正太郎氏。
この本は著者との対談をまとめて一冊の本意まとめた本で、まるで池波さん本人が話しかけてくる、もしくは小うるさいオジさんが小言を説くようなタッチでとても読みやすい!
酒や勘定、ネクタイや寿司屋など細かな項目ごとに分かれているのでちょっとした空き時間に少しづつ読み進めるのもありがたいところ!
今まで常識としてやってきたことが間違いではないけれど”粋”な行為ではなかったりと、、、
”ビールというのはね、料理屋でもそうだけど、本当の料理屋でない限り、まだ残っているうちに注ぎ足してしまう。これは愚の骨頂で、一番ビールをまずくする飲みかたなんだよ。
ビールというのは成分がある程度飛んじゃうわけですよ、時間がたつと。そこへ新しい成分を入れるでしょう。せっかくの新しいあれがまずくなっちゃうんだよ。それに、ちょっと飲んだのを置いておくと、冷えてたのがある程度温かくなってきちゃうわけだ。そこへ冷えたのを入れても、本当に冷えた感じにはならないでしょう。中和されちゃうから。
だから、ビールの本当の飲みかたというのは、まずお酌で一杯飲むのはしようがないね。それでグーッと飲んだらビールをまず自分のところへ置いとくんですよ。そして自分の手でやらなきゃビールというのはうまくないんだ。コップになみなみ注がないで、三分の一くらい注いで、それを飲みほしては入れ、飲みほしては入れして飲むのがビールの本当のうまい飲みかたなんですよ。”
(中略)
”それなのに、ちょっと飲むとすぐ店の人や何かが注ぐでしょう。接待のときもそれをやるからいけないんです。悪循環で全部飲めないからコップに半分残るでしょう。そうするとそのまま放っておくと何か気がつかないみたいでね、怠慢のように思われやしないかということになる。”
おっしゃる通りでございます。僕はもうそれはそれは単純な男なので、これを読んだ夜には実践して「うむ、うまいな、、、」などと影響されまくりでした。
他にもてんぷら屋に行くときは腹をすかして行って親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃだとか、そばを食べる時はしできれいに取りにくい時は中央から食べるのが正解なんだだとか。
中でも寿司屋のくだりはとても勉強になるもので、カウンターは常連客の席で初めて入る寿司屋ではテーブル席があればテーブル席の端っこの方でおとなしくしていなさい、なんてことをおっしゃっていました。
こんな時代だからこそ僕はちょっと面倒だったり手間がかかることでも”粋”な男になるべく『男の作法』をさらりとこなせる大人になりたいものですね。
最近”粋な男”を目指してハンカチを持ち始めた菊地でした。(ハンカチは当たり前でしたね、、、)
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