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きっかけ。
- キクチテッペイ
- 2016年12月9日
- 読了時間: 2分
『理容フヂノ』
僕の祖父はいわゆる町の床屋さんでした。
祖父の店にはいつも近所のおじさんやおばさん達が集まりいつも和やかでちょっとした社交場のようでした。
暇なときにはよくキャッチボールしたり水戸黄門見たりして。
祖父は異色の経歴で元歌手。店ではラジオから演歌が流れていたり、時にはエルビスプレスリーのラブミーテンダーを流し口ずさむ祖父。
そんな祖父を一言で表すと『実直でひたむき』。
こと仕事となると険しい顔つきでお客様と向き合う。そして一切の妥協をしない。
祖父が亡くなったのは高校二年の夏、僕の誕生日でした。
ちょうど進路について悩んでいた時勝手な使命感からか美容師を目指すきっかけとなりました。
祖父が亡くなり常連のお客様が言っていた言葉が僕の誇りで目標です。
「俊夫さんが切ってくれると何ヶ月も持つのに今は月一で切りに行かないとぼさぼさだよ~。」
その一言に祖父の職人としてのこだわりや人間性を感じた時でした。
今自分が代々木上原という地で美容師としてお客様と向き合うときこうありたい、こうなりたいと思う存在。
滅多に使わないけれどいつも手元にあって手入れをかかさないこのハサミ。
いつも初心にかえって身が引き締まる大切な道具です。
あいにく僕はエルビスもぶっ飛ぶようなずば抜けた音痴だし、美容師としてもまだまだ未熟ですが、じいちゃんならどうするかな~とか、なんて言うだろうな~とたまに考えたり。
そんな今日はじいちゃんの誕生日、ちょっとセンチメンタルなブログでした。

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